お金より時間が大事な理由。


"Word of the adult"という英語フレーズを知っているだろうか。

「大人の一言」といった意味だが、

「はじめは理解できなくても、あとで効果が分かる、深い言葉」といったニュアンスで使われる。

シンガポールの銀行の上司がよく言っていたのが、

"Ryu, money you can always earn back. But time, you can never earn back. So how are you going to spend it now?"

「龍、お金はいつでも稼ぎ直せる。でも時間は、残念ながら戻ってこない。じゃあ、どう今を過ごす?」

これを言われ続けた学生時代や新卒期間があったからこそ、自分が今どんな経験をしたいかにこだわる人になったと思う。

失敗こそ人生の財産。

今日起きたらこんなラインが入っていた。

「龍さん、パスポートもお金もカードも全部盗まれました…」

トルコに行っていた、リゾバ時代の同期からだ。

慌てて電話したら、出た。

意外とケロッとしていて、もう出来ることは一通り終わって、落ち着いてきた頃らしい。

現地でローカルの人が助けてくれて、なんとかなったそうだ。

二次災害には気をつけつつ、いまできる範囲で楽しむよう伝えた。

大事なのは、時間。

ぼくは正直、彼女が成長していてとても嬉しい。

「可愛い子ほど旅をさせよ」というが、本当にそうだと思う。

まあ、気が気じゃないけど(笑)こういう時にはいつも、自分に娘なんかできてしまったら大変だなとおもう。

僕が今の彼女にできることは、「悔しい〜」と悲観的になっているメンタル(当たり前だけどね)の方向を、逆に向けることかなと思った。

繰り返すが、大事なのは「どう今を過ごすか」だ。

  • 大丈夫!おれもしょっちゅう物盗まれてた!
  • 良い経験できたじゃん!
  • 日本帰り着いたら日本の素敵さが分かるじゃん、楽しみになるじゃん♪
  • 助けてくれた人、連絡先教えておけばトルコに友達できるじゃん!
  • ちゃんとパスポートやお金の復旧に向かっていますべきことが終わってるの、若いのにすごいじゃん!
状況は同じでも、見方を変えるだけで楽観することも悲観することもできる。

旅立って人生だって、良いこともあれば悪いこともある。

旅を最悪で終わるか、良いきっかけにするかも自分次第だ。

僕は彼女に、どんな状況にいても「るん♪」と進める人でいてほしいし、できる人だとも思う。

時間をもう少し具体的にすると、

それは命だ。命がなくなったら、時間もくそもない。

生きていて、時間と前向きなメンタルがあれば、お金はまた稼ぎ直せる。

失敗したら、次気をつけられるよう学べば良い。

どう気をつけるかを学ぶために、今回の盗難は必要だった。

そう考えれば、捨て金が活き金になる。

私、もう若くないんです。

ちょうど二年ほど前だ。

僕は起業に失敗し、お金を貯め直しながら次取り組むことを探そうと、リゾバをしてみることにした。

場所は、北海道のトマム。

彼女と知り合ったのはトマム駅からリゾバ先に向かう途中のバスの中だ。

「どこから来たんですかー?」と声をかけると、

「三重です…」とちょっと警戒しているような様子。

それが2ヶ月後、彼女がそのリゾバの契約を満了する時に、

「別れのハグでもするかw」と言ったら、

「ハグするー!」と別れを惜しみ、

また会ったり連絡を取ったりすることになるとは、互いに思ってもみなかったと思う。

当時、彼女は21歳だと言っていたと思う。

21歳が、「私もう若くないんです…」なんて悲観的なことを言って、どんよりした顔で寮の部屋から出てくるのだ。

「なーにを言ってるのかね」って話だ。


英語なんて…無理です

「海外に興味はあるけど、英語なんて私には無理です」というようなこともよく言っていたと思う。

でも彼女はカフェが好きで、地元で働いているのもカフェらしい。

起業に失敗してしまった状態の僕にできることは、当時限られていた。

カフェといえば、コーヒーよな。

コーヒーくらいなら、淹れてあげられる。

寮の部屋が隣だった彼女と、コーヒーを飲みながらキッチンでよく話をした。

ついつい、長話にもなってしまう。

老害にはなりたくないけど、よく聞いてくれる子なので話しすぎてしまうのだ。

トマムに来る前に東南アジアを旅行していた僕は、

「カフェが好きならベトナムのカフェ文化よかったわ〜」という話をよくしていた。

龍さん、ベトナム行ってきます。

正直、その子が本当に海外に行くとは思っていなかった。

でもリゾバの時から、見た目によらない行動力によく驚かされていた。

新しい体験が好きだというようなことも言っていたと思う。

それが僕との共通点だと思うし、誰にでも優しいわけではない僕が、

彼女に良いきっかけを与えられたらと思っていた理由のひとつだ。

そういう人には「こういう世界があるよ!」っていう情報は渡したい。

その先どうするかはその人次第。

とはいえ、そんなにすぐ行動に移すとは思っていなかった。

「でもベトナムに行くきっかけのひとつになれたのかー」と、ふわっと嬉しい気持ちになったのを覚えている。

龍さん、トルコに行ってきます。

ベトナムに行った感想を聞いた時、僕が感じた良さほどの手応えはなかったようだった。

やっぱり人それぞれなんだなー。

海外だめだったか。そう思っていたら、

さらに一年後、「トルコに行ってくる」と言うではないか。

「東南アジアのようにはいかんから、気をつけなネ」

「えっそうなんですか?!でもカッパドキア見てみたくて」

「おお、なんか頼もしささえ感じる(笑)無事帰ってきてな」

と僕が新しい国に行くときにローカルの人とつながるのに活用している、

旅の指さし会話帳を携帯するのをすすめた。

本当はいろいろ伝えたいこともあるけど、過保護も老害もよくない。

それだけにして、ちょっと心配だけど気を付けて行ってくるよう伝えた。

その後届いたのが、今朝の「全部盗まれました…」のラインだ。

まあ、スマホも一緒に盗まれなくてよかったネ…

失敗すると、次が見える

今回の失敗で、次どうしたら良いかが具体化したと思う。

誰もが慣れない環境で、無傷で過ごせるほどのお花畑なんてこの世にないことは、誰もが知っていることだ。

でもそうやって大海に出てみることで、自分がまだまだ伸びしろがあることに気づけて、

次どう行動するかを考え、一歩ずつ進める。

いまは日本に一刻も早く戻って「お寿司食べたい!」「ラーメン…ぴえん」

ってなっていたとしても、また海外に出てみたくなるんじゃないかな。

少なくとも、僕はそうだった。旅はやめられん。

彼女からは、翌日無事大使館で必要な書類も取得して、日本に帰れるという連絡がきた。

そこまでできたら、あっぱれよ。良い経験したネ!

大事なのは「今、この時間をどうするか」だ

スタバで働いていた時、まだ研修中でバーでのドリンク作りにあくせくしていた時だ。

同い年だけど僕のトレーナーで、反則級にハンサムな先輩が、心までイケメンなメッセージカードをくれた。

「龍、できてきてるよ。でもバーは、ダンスするように過ごせ!」

今の状況は見方によって良い経験にもできるし、悪い経験にもできる。

最悪な状況か、最高な状況かを決めるのは自分なんだ。

何回も言ったほうが良い気がする。

お金はまた稼ぎ直せる。でも時間は戻ってこない。

大事なのは過去でも未来でもない。今、この刹那をどう過ごすかだ。


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大事なのは、考え方だ。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!

このブログは、起業が失敗で終わった僕がどうやって幸せを見つけられるようになったか、そんな話をすることからスタートしました。

同じ環境にいても、それを幸せと感じる人もいれば不幸と感じる人もいる。

僕が人生最悪だと思った日は、今では人生最高の日だったかもしれないと思えるようになりました。

物事の見方や考え方を変えると、道が拓けるし、あとは気分良く過ごせるよう淡々と日々を過ごせば良い景色を見れるときがくる。

そんなことをテーマに、「考え方を変える塾」をオンライン上で、スモールスタートでこのブログから発信しています。
机上の空論があまり好きではない。きれいなことばかり言うのもどうかと思う。

やりたいことがある時、やはりどれだけ本気になれるかは必須条件だと学んだ。

僕は起業で失敗した後、良い条件の仕事がすぐ見つかったのを見送って、敢えて自分で地獄に落ちてみようと思った。

でも世間で言われる地獄は、正直逆だったと僕は思う。

人生の答えは十人十色。でも僕がどう選択してどう進んだかは、参考までに公開していこうと思います。


これからも様々な考え方やコツも公開していきますので、

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