商工会議所の紹介で、唐津の老舗店で接客英語を教え始めた。
もうすぐ、3ヶ月が経とうとしている。
よかったと思えるのは、どうやらホールさんもキッチンさんも、英語学習に対する意欲が高まっていると感じることだ。
「英語、話せるようになりたいです!」
授業が終わって、帰ろうとしたときだ。
休みを返上して授業に来てくれていた新卒君が、僕にこう言った。
「英語、話せるようになりたいです!」
物静かな男の子なのだが、出会った初日もそう言っていたのを思い出した。
変わらずそう思ってくれて、「今からインバウンド見つけてこようかな」と意気込んでくれているのは、とても嬉しいことだ。
他のキッチンさんも、熱心に授業に取り組んでくれていると思う。
ホールさんよりは直接英語で接する機会が少ないであろうが、毎日ちょっとずつできるようになっていく感覚はおもしろいはず。
なんにでも応用できるし、日本の食のスペシャリストである料理人は、今世界の注目の的であるし、この波は続く。
英語で見える世界は、まだまだ広くなると思う。
そんな彼らに、僕ができることを考えてみると、やっぱり「経験を積むしかない」が答えだ。
経験の積み方は、話しかけてみることだ。
これに尽きる。
なので、僕がやってみた。(笑)
駅できょろきょろしているインバウンド
会話の始め方としては、相手へのメリットを与えるのが一番だと思う。
その中でも、困っている人を助けるのはメリットである可能性が高い。
どの駅でもそうだと思うが、唐津駅のマツキヨに目薬を買いに行った時、
きょろきょろしているインバウンドがいた。
僕だったら、"Are you ok?" "Do you need any help?"と言ったように声をかける。
きょろきょろしているということは何かを探している。
Are you looking for something?(何か探しているの?)
Where do you need to go? I can go with you.(どこに行く必要があるの?一緒に行ってあげようか?)
結果。
どうやら、駅になにがあるかを確認しているようだった。
「I was just trying to check whether I can use my credit card to take a taxi.」(タクシーに乗るのにクレジットカードが使えるかを確かめたかったの)
”I don't have any cash with me.”(現金をもっていないの)
"Don't worry, I know my way to the hotel"(心配いらない。ホテルまで行けるから)
こんな感じの会話だった。
相手だって、話しかけられたらびっくりする人だっている。
でも明らかにテンパってるというか、困っていることだらけな気もした。
その時は、僕も急ぎの用事があったので、"You sure you don't need any help?"(本当に大丈夫?)と聞いたら、"Yeah, I'm ok"と言っていたので、
"Ok, enjoy your stay!"と別れた。
時間があれば、こんな感じで相手が欲しい情報を与えてあげると、仲良くなれる人も出てくると思う。
タクシーでクレカが使えるか
"It depends on which taxi company, so check if it has a credit card mark on the window."(タクシー会社によるので、窓にクレカマークがあるか見ると良いよ)
現金の引き出し方法
"It's probably better to have some cash in rural areas like Karatsu. Do you have a wise card? The best way is to use the convenience store ATM."(田舎のほうは特に現金はもったほうが良いかも。ワイズカードを持ってる?コンビニで引き出すのが一番良いよ)
ホテルへの行き方
"Do you need directions to the hotel? Do you need my wifi to show it on your Google Maps?"
(ホテルへの行き方が必要ですか?あなたのGoogle Mapsに表示できるよう、私の携帯のネットを貸してあげましょうか?)
僕だったら、こんな感じで助けのオファーは出している。
英語圏の人ははっきりしているので、必要だったらYesだし、不要だったらNo thanksだ。
気まずく思う概念もあまりないと思うし、その場でできることを無理なくやって、仲良くなることもあれば、その場で終わることもある。
みんな、旅先でよく助け合うのと同じ。僕も他国に行くと、地元の人によくしてもらえることがとても多い。だから自分も、わざわざ唐津に足を運んでくれた観光客にできることは(見返りなしで)してあげたい。
それは前提として、こう繋げると後から良かったと思った。
Are you still in Karatsu Thursday and Friday? I work as a server at Choko Bar, just 5 minute walk from here. Stop by if you like:) (木金はまだ唐津にいますか?ここから徒歩5分のちょこバルで働いているので、よければ来てくださいね)
と、インスタやGoogle mapなどの情報を渡せば、向こうも唐津のことをより知れるし、店も潜在顧客をもてる。
Win Winなのではないかと思う。
挨拶だけでもOK
「そんな話しかけられないわ!」という人、気持ちは分かります。
僕ももともと自分から話しかけるようなタイプではないです。
陽キャラに間違われるけど、どっちかというと静かにしているのが好きな人です。
そういうときは、雰囲気が大事。
笑顔で感じよさそうにすること。
目が合う人には挨拶から始めて、反応が良い人に、ポジティブな話題をふってみる
"Hi, good morning!"と挨拶し、反応が良好なら、”Are you traveling? How is Karatsu. Enjoy your stay.”
って言ってあげられるだけで、「感じが良い人・町だな」と思ってもらえます。
それが連鎖するもんですよ。英語力より、まずは心が大事。
ポイント:
- 笑顔とアイコンタクト: 英語力よりも、まずはフレンドリーな雰囲気を大切に。
- メリットになることを。困っている人がいたら、助けるのが一番ハードルが低い
- 相手の様子をうかがう: 相手が急いでいたり、真剣な表情をしていたりしたら、無理に話しかけるのは避ける
- 挨拶されて嫌な気分になる人はいない。「日本を楽しんでね」だけでもOK。それだけでも、自分の経験値も積み上がる。
- Learn something new everyday. Step by Step(毎日一個だけ新しいことを学ぶ。一歩ずつ)
他にも書きたいことはあるけど、今日はここまで。しばらく、こういった話を続けようと思います。
インバウンド対策にレストラン接客英語
2025年7月から唐津の飲食店の玄洋で接客英語を教え始めました。
ちなみに僕は母がシリコンバレーで日本食屋を経営していたこともあり、料理も接客も大好き。
カナダで働いていた店はのちにミシュラン店に。北海道でもミシュランの系列店で働いたり、興味をもった食材を提供する店で日英両方の言語で接客を経験してきました。
その経験も活かし、接客英語も依頼があった店に合わせてみました。
日本語で接客している流れを従業員の方々から聞き英語マニュアルを作り込んでしまい、
音読しながら正しい音で接客英語を使えるよう、練習すれば効率的に必要な英語を学べますし、業務の効率化も進みます。
音読をしながら正しい音で英語が言えるようになると、今度は英語圏の人が言っていることが聞こえるようになってきます。
すでに一定の効果があったみたいで、インバウンドのお客さんの反応も良好のようです。
今までは学校の英語の授業でいくら頑張ってもなかなか報われにくかったのが、短期間で相手の言ってることが分かったり、自分が使った接客英語が通じたりすると、おもしろくなってきます。
生徒さんたちのモチベーションも右肩上がりだと感じており、嬉しい限りです。
そういった店が日本で増え、インバウンドの対応をしっかりできるようになれば、僕が大好きな日本の食文化が世界中に広まるきっかけにつながるのでは。
そう思い、作り込んだマニュアルの、どの店でも共通して使いそうなものを公開することにした。いずれ、音声も公開していこうと思いますので、
ぜひ参考にしてくださいー!
関連:接客英語マニュアルを無料公開しようと思う話。
*試してみて良かったポイントとしては、フリガナをふったことです。日本の学校に行く中で英単語を正確ではない音で記憶してしまっていることが多いので、(日本語読みしてしまう)カタカナを忠実に読むことを意識すると良いです。
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