英語力より、心が大事な理由。

英語力も大事なのだが、それより大事なものがある。

英語力はコミュニケーション能力の枝に過ぎず、幹の部分は人間性だ。

英語は自分を伝える道具としてとても有効だけど、

相手に自分の心の部分が伝わると、ぐっとくるというか、

たとえ、英語力が今ひとつだったとしても。

「通訳を連れてきてでもこの人の話を聞きたいーーー」

そう思わせてくれるのは英語ができるからではなく、心に惹かれる時だ。

今日はそんな話をしようと思う。

Tokyo Fashion Weekにて。

僕は学生の時、シンガポールの銀行マンの通訳としてTokyo Fashion Weekに訪れていた。


Fashion Weekのランウェーの入口でのことだ。

Welcome Drinkで、スパークリング酒が振る舞われていた。

「へー、スパークリング酒は海外の人がとても喜ぶだろうなあ」

と思いながらくいっと飲んだ。

とても上品で繊細で、ほどよい甘みもありおいしいと感じた。

僕はそこでたまたま隣にいた人としばらく、世間話をしていた。

すると、その銀行マンが珍しく焦った表情で僕にこう言った。

「Ryu、すぐ来てくれ。和服を着た男の人と話していたんだが、なかなか内容を汲み取れない。でも理解したいと思うんだ。彼からは、心を感じるんだ」

”Hey Ryu, can you come over here? There is an elder uncle I was talking to. I want to understand what he is saying, but English issue. We can't understand what each other are saying, but I feel a "something" from him."

すぐ着いていくと、そこには和服姿の、少し年配の男性がスパークリング酒をゲストに渡していた。

その銀行マンが僕を紹介してくれた。

銀行マンの通訳であることが伝わると、その男性は一所懸命に話し始めた。

「そうか、ありがとう。私は、山口県の酒造の者で、地域の運命を担っているつもりで働いてきたんです。このスパークリング酒も私達が情熱を注いでつくったひとつの形でね。この味を知っていただきたくて、ここに来れる人たちに飲んでいただく機会を得たんです」

僕も、銀行マンと同じ感覚をもった。

和服姿や立ち振舞いで只者ではない方なのが伝わってくる。

それなのにとても低姿勢で、人柄のよさや山口に対する愛情が伝わってくる方だった。一字一句は思い出せないが、彼が話し始めたことを、僕はなるべく英語に通訳し、もちろん僕なりの熱ものせて、銀行マンに伝えた。

僕の大学時代の恩師も、萩にいる。その恩師を思い出さずにはいられなくなるほど、ぐっとくる方だった。

一通りその男性の話が終わった後、銀行マンは笑顔ですぐ答えた。

「大丈夫です。あなたからは心が伝わってきます。シンガポールで私は様々なPRイベントも担当しています。とても美味しいこのお酒を、世界に広めましょう」

”I understand and it will be ok. I feel "a something" from you that attract people that will help you. One of my jobs is to organize PR events for the banking clients, and they will love to get to know you."

酒造の男性の表情が緩んだ。その時の写真が出てきたので、トップ画像にのせた。

その後その男性の息子さんを紹介していただき、PR担当にもご挨拶をした。

息子さんはとても英語が堪能だった。それなのにお父さんは、息子に頼らず自分の想いを伝えようとしていたのか…感動してしまうご家族だった。

英語で伝えるのではなく、心で伝える重要性が分かってもらえただろうか。

僕の育ったサンフランシスコが海外PRの拠点になっているとのことで、しばらく話をした。

また、シンガポールで酒造を集めたPRイベントをすでにする予定でいるではないか。

そのイベントにも招待してくださった。

小さな成功の先。

結果が出るまでは、どうしても時間がかかるのだと思う。

きっと、あの酒造さんがTokyo Fashion Weekでウェルカム・ドリンクを任されることになったのも、

主催者側のベンツの担当者の方が、僕達のようにあの酒造の心に感動したからなのではと思う。

そうやって小さな成功をしていたそのご家族のことを、

そのシンガポールの銀行マンは、とても気にかけていた。

僕も、それからしばらく経って、日本酒が大好きな女性が、

「いつか飲んでみたいと思っている憧れの酒があって、スパークリングワインみたいに発泡するんだって。それをどうしても飲んでみたくて…!!」

と言っている人に出会った。

「ん…?その酒造、この前会った、あの人たちだったよな…」

そのお酒はすでに業界の憧れの酒になっていたようだ。

でも驚きもない。あんな心の持ち主が代表を勤めている会社だ。

どんどん飛躍していき、世界に名を轟かせる酒造になった。

今では酒が好きでその酒造の名前を知らない人はいないほど、有名な酒ブランドとなった。

英語力より大事なもの。

英語ができるのは、人生に役立つことは間違いない。

でもそれより大事なのは、自分の心の部分だ。

僕はそれを「自分のWhy」と呼んでいるが、

それが伝わると、周りの人はできるサポートをしたくなってしまう。

僕は今回のご家族のような、人生の大先輩と触れる機会が多く、

日本人としてとても誇らしいうえに、自分もそういう人になりたい。

そう願って進んでいくようになったと思う。

このポストを書きながら、思い出していた本。

僕が大好きな本。

今日の話がすとんと落ちる、とても読みやすい物語だと思います。

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