僕がシンガポールの銀行で学んだこと


佐賀県唐津市へのインバウンド集客と飲食店向け英語研修を創業した。

やっぱり「なぜ僕に任せるべきなのか」を見せる必要があると思った。

自分のことをよく言うのはあまり得意でも好きでもないけど、

仕事として本気でやっていくと決めたからには、しっかりと自分をPRしていかないといけないし、

自分の経験を共有した価値が高ければ、事業も好循環していくのだと思う。

今日は僕がシンガポールの銀行にスカウトされたときに経験したことを一部、書く。

シンガポールのプライベートバンクでの仕事

立命館大学在学時代、京都のボランティア案内をしたことがきっかけで、シンガポールでの仕事のオファーをもらった話は、以前した。

「私たちは日本人をとても尊敬していますが、日本人との関係構築に最も苦労しているんだ。だからこそ、君の若さや経験、柔軟性が必要なんだ」と、大学生の頃、そのシンガポール人は言った。

英語ではこんな感じで言われたと思う。念の為、載せておく。

"We respect the Japanese a lot, but we also face the most challenge managing relationships with the Japanese, that's why we need your help." The private banker told me when I was still a university student."

あなたはテーブルになにをもたらす?

英語の商談で、"What can you bring to the table"というフレーズをよく聞いた。

直訳すればもちろん「テーブルにあなたはなにを持ってくる?」だけど、

「どうやってあなたは貢献できるの?」という意味だ。

大学生だった僕は、自分に自信がなかった。

また、祖父の影響で、「人の役に立ちたいと強く思っている」人だった。

見返りはまったくなしで。綺麗事でもなんでもなく、

本気でそう思っている。それが伝わるようだった。

聞かれたことは丁寧に答えたし、いつもベストを尽くしていた。

京都でのボランティア案内サークル


ボランティア案内をしている時、僕は高額のチップをもらえることが多かった。

報酬もないのに一所懸命で、相手の困っていることに応えたい姿勢が伝わるからだ。

僕は外国の人が日本を知ってくれるサポートをするのは、お金以上に自分の成長につながると思っていた。

正直、幼少期をアメリカで過ごしたこともあり、日本史をちゃんと習っていない。

案内に必要な知識の部分は、一番できなかったと思う。

京都の知識も、案内サークルのなかでビリだったと思う。

でもだからこそ、聞かれた質問や困っていそうなことにしっかり対応することにとても気を遣った。

必要なことを聞き出し、それにベストな形で応えるのに長けていたのだと今ならわかる。

分からなければ、先輩やお寺さんなどに聞いて、それを伝えれば良い。

それは自然とできていた。

僕は自己評価とは裏腹に、観光客の人たちが必要な時にしっかり対応してくれるガイドにうつっていたようだ。

その小さな習慣が、「君ならその能力をシンガポールの銀行で活かせる」と誘ってもらえるきっかけになった。

印象的な仕事

誘ってくれた銀行マンが担当しているのは、Ultra-high-net-worth individual (UHNWI) と呼ばれる顧客たちだった。

確か銀行や国によって定義が違うと言っていたのだが、いまググると、3000万米ドル以上の資産をもっている個人をUHNWIと呼ぶ。

銀行として、その人達が口座をもってくれているお礼のようなイベントを定期的に開催する。

当時、日本は魅力的なマーケットだけどなかなか商習慣が合わずシンガポールの銀行が入りたくても入りづらかったようだ。

だからこそ、その銀行マンは彼の顧客を日本でのプライベート・イベントに招待できないかと企画をしていた。

東京ファッションウィークとアートフェア東京が開催される春に来日したときに、僕に通訳として手伝ってくれと声がかかった。

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銀座での体験

銀行のコラボ先候補で、銀座のジュエリーブランドに行った。他にも青山や渋谷、いろんなところに行ったが、今回は銀座の出来事だけ紹介する。

5年以上も経ついまでもよく覚えている経験になった。

日本と欧米とでは商習慣や考え方が違うとはっきり感じる体験だった。

イタリアのジュエリーブランド

イタリアのジュエリーブランドで担当は若めの日本人女性だった。

シンガポールの銀行マンが、顧客を日本に連れてきたときにもてなす話にあまり気乗りしていなかった。彼女たち側になんのメリットがあるのかを聞き続けていた。

これには正直、銀行マンは驚いていた。あまり想像していなかった反応だったようだ。

雰囲気も今ひとつのなか、僕はショールームを見せてもらっている間、日本限定のジュエリーが飾ってあったのを思い出した。

「我々のクライアントがここに来た時、日本限定の商品があれば、購入するインセンティブになるのではないでしょうか?このブランドの看板商品ほどの値段ではなくても、安くはないです。また、日本でしか手に入らないジュエリーを敢えて多く用意することで、わざわざ日本に飛ぶ理由にもなります。購入にもつながり、御社の売上に貢献する可能性も高くなると思いますがいかがでしょうか?」

これは僕が思った以上に担当者にささったようだった。彼女はすぐに話をまとめ、前向きに協力する約束とともに、ラウンジで接待してくれた。

上司は、僕に「良いアイディアだったよ、ありがとう」と喜んでくれた。

これこそ、日本のマーケットに魅力を感じているけど、なかなか難しく感じていると言っていた理由なのだと思う。

ドイツの時計ブランド、ランゲゾーネ

次はドイツのランゲアンドゾーネに向かった。

今ググるとランゲアンドゾーネと出るが、その銀行マンとお店の方は「アランへ・ソーネ」という発音で呼んでいた気がする。

担当者の方とお会いした時、彼はその銀行マンから共有されていたイベントの提案に興奮気味だった。

「参加者の方々に喜んでいただけるイベントがぜひできればと。時計の製作工程をお見せすることもできますし、何か思い出に残るものも考えましょう」


と、穏やかな物腰なのに、とても熱意が伝わってくる方で、僕は一気に彼に惹き込まれた。

「私たちの願いは、お客様に喜んでいただくことです。そして、人生のどこかで、ご自身用や贈り物として一生ものの時計をお考えになる際に、私たちのブランドを思い出していただければ、大変嬉しく思います」

担当者はドイツ人でしたが、英語はとても流暢だった。そのため、ミーティングの進行、言葉の巧みさ、敬意、そして何か意義のあることを成し遂げたいという高揚感に、僕は震えるものを感じた。

あの出来事から10年ほど経った。いろんな時計を見る機会もあった。でも高級時計といえば、あのドイツの担当者の狙い通り、LANGE & SÖHNEを思い出す。


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その銀行マンと働いて学んだこと

賢く振る舞うことができると、ある程度のレベルまでは社内で出世したり、一流企業で一定の地位に就くことは可能なのだと思う。

でも企業を代表する立場にある人は、「長期的なwin winや、他者に貢献したいという想いがないと難しいかもしれない」と感じた。

大事なのは、心の部分だった。

祖父や祖母がよく言うこと。誠実でいること、人の役に立ちたいと心がけること。お礼をきちんと言うこと。挨拶をすること。足るを知ること。人生を最大限に生きること。

また、僕のその素質はその元銀行マンと似ていて、彼は祖母から。

僕は祖父から受けた愛情と教育からくるものだった。

当時の僕は自分に自信がなく、ウェルス・マネジメント部門から仕事のオファーを受けても、自分には合わないし、あまり興味がないとも思っていた。

ホテル・マネジメントの仕事をしたいと思っていたからだ。

(このきっかけについても、ボランティア案内が関係している。また、別のポストで話そうと思う)

就職オファーの辞退

シンガポールの最大手の銀行の創業家と一緒に説得をしてくれたのも、その時は「なんで自分が」とびびるだけだったが、今となっては「もっと気楽に考えたらよかった」と笑える、良い思い出だ。

家族の事情も重なり、就職オファーも辞退することになったが、

でも、その銀行マンはよく「君はまさにその仕事に向いている。挑戦してみなさい」と言ってくれた。

いまなら、自分が確かにその仕事に向いていたのも分かる。

母には「チャンスは前髪しかないわ。いまからでも頼み込みなさい!」とよく言われたが、また僕の成長が追いついていなかった。悔いもない。

結局は、その銀行マンはスポットで仕事をふってくれた。

銀行マンに言われた大切なこと。


"自分でいなよ。自分が正しいと思うことをやれば良いし、後悔はなしだ。目標を立ててそこに到達したら、自分の肩をポンと叩いて上げることも忘れずに。進んでいるからこそ、答えまでは苦しみも伴うんだ。また次の目標を立てて、一歩ずつ進むんだ。」

Well, be yourself. Choose what you think is right, and have no regrets. You told me before about your goal, and now you're here, You should tap yourself on the shoulder, and it's great that you are in a stage to think, now what? You are making progress, and that is why you struggle to find the next answer. What next, Ryu? Take step by step."

僕はテーブルになにを持ってこれるだろうか?

僕がもたらせるものは、これらの国際的な商談の場で得た経験だと思う。

英語ができるだけでは、この体験はできなかった。

英語や人格を含むコミュニケーション能力が幼少期から育まれていたからこそ、

この経験ができた。

また、英語をきっかけに見た世界は、とても広かった。

視野がとても広くなった自分の経験を、これからの日本を作っていく人たちに還元したい。

そのため、僕は海外からくるお客さんには食関連の通訳やガイドを。

日本の食関連の事業者には英語人材の育成を事業として提供することから始めた。

その先についても話したいことはたくさんあるが、

まずは上記の2つを、一歩ずつ進め、自分の肩をポンと叩く日を心待ちにしようと思う。

インバウンドの集客をサポートします

佐賀県唐津市を中心に、インバウンドの集客から対応までサポートします。

持続可能な事業育成のため、インバウンド集客と英語人材育成をメインに事業展開を始めました。

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英語でどんな世界を見ますか?

これからを生きるときに「自分はどんな人間で、どんなことがしたいか」を言えますか?

英語を学ぶとともに、この塾で自分なりの自己紹介ページを英語で作ってみましょう。

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英語でどんな世界を見たいかは、自分自身である程度決められることに気づきましょう。

そのうえで、シャドーイングをこなしながら一歩ずつこの世界を進んでみてください。

このコースを経験して、ぜひ英語で見える世界の入口に立ってみてください。

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佐賀県唐津市に移住したのをきっかけに、地元の企業や教育機関で、国際人材を育てる事業を始めました。

日本がとてもブームになっているいま、日本の魅力を海外にアピールできるコミュニケーション能力をもつ人材を育てたい。

また、自分の特性を発掘し、「日本をよくしながら自分が成長したい」と主体的に動く人材を育成したい。

唐津を日本のサンセバスチャンのような、食や教育で栄える町にしたい。

唐津の人が、唐津を誇りに思ってもらえるよう、尽力したい。

移住者の僕が、「良いよ、唐津!!最高じゃねえか!!」とよく言っているのを、

「変なひとやね〜なにが良いね(笑)」とくすくす笑うのではなく、

「そうなんよ、唐津最高なんよ!!」と一緒に盛り上がれるようにしたいと思っています。

その成功体験は、いずれ日本全体が盛り上がっていくことに繋がるとも思うから。

このブログでは実際に僕が海外のビジネスシーンで出会ってきた英語フレーズや体験、考え方も解説しながら、「英語で僕が見た世界を発信する場」です。

それをきっかけに、読者の方々もこれから英語で見える世界を楽しみに日々コツコツ、

一緒に成長していきましょう。

少しでも僕の経験が、読者の良いきっかけになりますように!

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